では前回に引き続き就活・インターンシップにおける自己PR作成に関する記事となります。
今回は自己PRの内容を読み手や聞き手に伝えるためのテクニックとなります。応募書類作成前の3年生や就活半ばの4年生にオススメです。
それでは、こちらをご覧ください。
自己PRを分かりやすく伝えるための文章構成とは
〜自己PRを伝えるための文章構成〜
結論→理由→具体例→結論
この形が基本形式となります。これはPREP法というプレゼンにおいて要点を相手にわかりやすく論理的に伝える手法を用いた文章構成となります。構成の考え方や伝え方が身につけば、自己PRだけでなく、プレゼンテーションなどにも幅広く応用できるスキルになります。では、一つ一つ細分化して考えてみましょう。
結論
まず、自己PRにおける結論とは何か。前回の記事でも少し触れたように、結論は「PRポイント」です。すなわち、ご自分の特徴や強み、長所ですね。自己PRにおいて最も必要な要素であり、このPRポイントがなくては自身の特徴を相手に伝えることはできません。
しかし、あれやこれやと羅列すべきではありませんし、詰め込みすぎてよく分からないPRポイントにするのも伝わりにくいでしょう。シンプルに結論として伝え、それ以降の項目で裏付ける根拠を提示する、という方法で文章を構成すると「相手に伝わりやすいPR」がつくれます。400字程度の文章でも、600字程度の文章でも変わらず、自分がPRしたいポイント(強み・特徴など)は一つに絞り、具体例で裏付けることで具体性と説得性を増加させましょう。
例文
「私の強みは●●です。」
「私は●●ができる人間です」
「私には●●という長所があります」
結論として提示する自身のPRポイントは、①詰め込みすぎない、②理由・具体例との一貫性を持つ、③最も伝えたい「PRポイント」を伝える、ということを意識しましょう。
理由
さて、冒頭で伝えた自身のPRポイント。これを伝えるためには、相手が納得するための「根拠」がなくてはいけません。その根拠を説明するために、これまでにどのような経験をしたのか、どんな場面でその強みを発揮したのか、ということを提示します。
就活やインターンシップ選考における自己PRにおいては、最も身近な場面として大学生活のエピソードを用いるケースが多いでしょう。多くの就活生が誤解をしてしまいがちですが、これを考える際、留学やリーダー経験といった特別な経験である必要は一切ありません。
「私は友人のようにリーダー経験がないから・・・」という、自身のPRを考える際に誰かと比べてしまうケースは少なくありません。これを読んでいるあなたも、もしかすると少なからずこうした感情を言葉に出さずとも胸の内に秘めるかもしれません。
ですが、自身の強みを相手に伝える際、誰かと比べる必要は全くありません。大切なのは、いかに自分の強みを論理的かつ具体的に相手に伝えることができるか、ということです。
では、根拠の提示ができたら、より強みを読み手(聞き手)にイメージさせられるよう、具体例を挙げましょう。
例文
「学生時代に、●●というボランティア活動に参加しました」
「大学1年生の頃から居酒屋でアルバイトを続けています」
「私の過ごした学生生活で強みを発揮してまいりました。」
具体例
文章構成はできているものの深みのある自己PRが作れない、という方は、具体例が浅い傾向があります。ではどんな具体例が必要なのか。まずはNG例からご紹介しましょう。
NGな具体例とは
- 自分の経験をただ紹介しているだけ
- 一貫性がなく、裏付けができていない
- 説明する要素が曖昧で具体性を伴わない
- 同じ内容を繰り返し、自身の経験を掘り下げられていない
このような内容では裏付けの根拠にはなりません。
ここでは自分の経験を掘り下げ、自身の強みを自身の経験から裏付ける必要があります。そこで求められる二つの視点、それは「なぜ」と「どのように」。
WHYの視点「なぜ」
- なぜその体験をするに至ったのか、
- そこで自分はなぜ頑張ることができたのか
- なぜ自分はそこでモチベーションを維持できたのか
以上のように、これまでの経験に対し、WHYの視点から掘り下げて考えてみましょう。なぜ自分はそこで頑張れたのか、当時の目標や、その目標に向けて努力したプロセスを明らかにする必要があります。
これにより、冒頭に伝えたPRポイントを「行動の動機」から裏付けることができます。
行動の動機から強みを裏付けることで、より自身の特徴を読み手(聞き手)に伝えることができる、というわけですね。
HOWの視点「どのように」
- その経験の中で、どのように自分は努力をしたのか
- どのような工夫で困難を乗り越えたのか
- 目標に向けてどのような行動をとったのか
そのまんまですね。そのまんまです。そのまんまなのですが、意外とこれが難しい。
なぜならば、このレベルまで他者に説明できるアウトプット力が弱い就活生は非常に多いのです。あるいは、アウトプット以前にここまで説明できるレベルの自己理解に達していない、など。
結果、曖昧な言葉・表現に逃げてしまう。こうして読み手に「伝わらない自己PR」の連鎖が組まれてしまうわけです。非常に自己分析の精度が重要なポイントだと言えるでしょう。
ポイントは、自分がどのような工夫をしたか、どのような努力を行ってきたのか、という経緯です。結果だけをPRする文章では、その人の人間性は伝えられません。
その結果を勝ち取るまでにどんな困難があり、どのように立ち向かったのか、どのように目標を追ったのか、という努力のプロセスが明確化されているかどうかということです。
これが難しいと感じる方は、⒈自己分析が足りていない(自己理解不足) ⒉アウトプット(言語化)ができていない ⒊自分には材料が無いという勝手な思い込み(特殊な経験である必要は一切ありません) これのどれかに当てはまるケースが多いです。
ここまで整理することができたら、あとは結論でまとめましょう。
結論
例文
「以上の理由から、私には●●という強みがあります。」
「この経験によって、私には●●することが習慣になりました。」
「●●においては自信があります。」
シンプルにまとめましょう。長すぎる必要はありません。強みをまとめた上で、入社後の抱負と結び付けても良いでしょう。ここで大切なのは、これまでの文章と一貫しているかどうか、ということです。
それでは、NGな文章構成として、以下の例文をご覧ください。
回答例
結論・・・私の好きな食べ物は、カレーです(この場合、カレーが結論=PRポイントとなる)
理由・・・お肉も野菜も好きだからです(そこでカレーが好きな理由を挙げる)
具体例・・・安価に食材を調達でき、尚且つ、お腹いっぱいになりたいからであり、カレーは私にとって理想的な食べ物です。(カレーの特徴と具体例を挙げる)
結論・・・以上の理由から、自分は野菜炒めが好きです
ん???
カレーが好きって話じゃなかったっけ?ってなりますよね。
そう、この文章は冒頭の結論と最後の結論が一致していないのです。
内容が一致していなければ、読み手にとっては「この人の好きな食べ物って、本当はどっちなの?」という疑問を与えてしまいます。これは自己PRでも同じこと。最初に挙げたPRポイントは、文末の結論でも一貫しているよう心がけましょう。
例:冒頭で行動力をPRして文章を組み立てたのに、最後の結論が好奇心旺盛さに変わってしまっている など
まとめ
今回お伝えしたのは、あくまでPRポイントをいかにして読み手にわかりやすく伝えるか、という伝え方のテクニックです。(細かく解説するともっと方法はありますが、書ききれないので割愛します。)
「この伝え方ならば絶対に大丈夫!」
「この形ができたから、自己PRは完璧」
と思うのではなく、もっとわかりやすく、論理的に相手に伝えるにはどうしたら良いか、ということを追求し続けることが大切です。
まずは自己分析をして自分の特徴や裏付けられそうなエピソードを発見し、頭の中で整理してみましょう。ある程度情報が、まとまったら実際に文章化して自己PRを作ってみてください。
最初から完璧な文章を書ける学生なんて存在しません。
僕は初めての自己PRはわずか89文字しか書けませんでした。
一度書いた文章を、何度も磨き上げることで良い文章が書けるようになります。ぜひ、トライしてみましょう。
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